静けさの中で
パソコンが静かだと物事に集中できる。今まで知らず知らずの内に集中力を削がれていたのかもしということは意外と大切な事だと熟々感じる。おっ、つくづくという漢字は熟々だったのか。パソコンでかな漢字変換をしていると我ながら知らない漢字に出くわす事が多い。
漢字は10万字ほどあって、人類史上、一番多い文字数を誇っているらしい。26文字のアルファベットに比べると文字数は圧倒的に多い。単語数でいくと最大中国語辞典で45万単語。ちなみにThe Global Language Monitorによると英語もどんどん増えて2009年、100万単語を超えたらしい。10万字の漢字に戦く(おののく)傍ら、100万英単語に驚愕。日本語はどうなっているのだろうかと目の前にある分厚い日本語辞書は23万語の収録。早いところギャル語でカバーしないと日本語文化の明日は超やばい。
漢字と言えば、目の前にパスポートがある。パスポートの表紙に書いてある「日本国旅券」の書体は篆書(てんしょ)で書かれている。篆書は古代中国の甲骨文字の名残(なごり)がある書体だが、改めて見ると、くねくねしていて、これを覚えるのは、昔の人はさぞかし大変だった事でしょう。隷書の書体が作られて、私も文盲を免れたと言っても過言ではあるまい。でも、篆書まで残っていた文字それぞれの書体からの直接、文字の意味を創造できなくなったのはちょっと勿体ない気がする。隷書から想像される文字の意味すら日本の新人類は、AI技術も活用されている賢いFEP(フロントエンドプロセッサ)により、忘却させられているかもしれません。もしもにほんじんがかんじをかけなくなったらさぞかしにほんごはよみにくいにちがいない。
そう思いつつも1日の大半を何気なく使っているFEPの選択は、効率を追求する上で非常に重要だと思う。キーボードがペンの代わりであれば、今やFEPは脳みその代わりと言える。それなのに、意外とFEPを気にしない人が多い。いろいろ話を聞くと、選択肢の存在すら知られていないケースが多い。それ故、FEPという言葉も最近、知らない人が多い。日本語入力システムをFEPというのは非英語圏の日本では一般的だったが、今やインプットメソッドと呼ぶべきだろうか。でも、Input Method EditorをIMEと略した名前を使い始めたのはマイクロソフトなので、IMEという言葉を使うとMS-IMEを洗脳する一助になっているかもしれない。思えば、MS-DOS時代はエー・アイソフトのWX*シリーズにお世話になった。辞書の自由度などを考えてもWXは画期的だった。当時、VZエディターとWXの組み合わせは最強の入力環境だった。その後、Windows時代が到来してからMS-IME、ATOK、UnixのWnnやCanna、Macのことえり、色々と触ったが一番優れていると思うはATOK。それ以外のFEPは時間が経ってもATOKには追いついていない。MS-IMEとATOKの入力効率は単純比較出来ないが、入力速度で50%ぐらいの差がある様な気がする。実は後からMS-IMEのベースはWXだった事に気付いたが、MSがATOKではなくWXを選択した事が現在の日本のGDP抑制に繋がっていると思う。もしかしたら緻密な米国の国家戦略なのかもしれない。
2009年の年末、GoogleからGoogle日本語入力なるものが発表された。早速、ダウンロードして使ってみたが、これが優れもの。もしかしたら時事問題であればATOKよりも変換効率が良いかもしれない。でも、変換した内容がGoogleのクラウド上のデータベースに蓄えられるので、もしかしたら入力内容が全てが筒抜けかもしれないと考えると少し怖い。まだ、ベータ版なのでいずれにしてもATOKには見劣りしたが、近い将来にローカル学習型のATOKよりも優れた辞書を確保するのは間違いないと思われる。でも、色々な意味で私的にはATOKを使い続けるだろうと思う。現在、ATOKはWindows版に加え、Mac版、Linux版があり、携帯電話にも一部搭載されていて、日本では知る人ぞ知る日本語FEPのデファクト。日本語変換技術は、やっぱりATOKを開発する日本企業のジャストシステムに頑張って欲しい。
いやぁ、それにしてもファンの静かな環境と変換効率の良いATOKも手伝ってか、中々快適快適。
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